Un Moment Doux(アン モーマン ドゥ)~優しいひととき~

大好きなアニメ・漫画・声優さん(主に小野大輔さん♡)、ハンドメイド作品のことを書いてます。

「まほろば」を観る

◆作:蓬莱竜太  
◆演出:栗山民也
◆出演:秋山菜津子/中村たつ/魏 涼子/前田亜季/大西風香/三田和代

◆あらすじ
東京で一人暮らしを続けるミドリは、久しぶりに実家のある村に帰郷する。都会での生活は順調だが、婚約寸前で交際相手と別れてしまい、傷心旅行をかねての帰郷だった。ミドリの母ヒロコは、長女のミドリが結婚せずに東京で暮らしていることが気に入らない。婿養子を取り、男の子を産んで本家の血を継いで欲しいと切に願っている。なぜ交際相手と別れたのか詮索してくる母。本家の「大母様」であるタマエと、村の娘・マオが二人の間に入り、なだめてくれるが、ヒロコの小言が止む事は無い。

ヒロコがやるせない気分でいるのは他にも理由があった。ミドリの妹キョウコが自由奔放で、東京に出ているらしい娘・ユリアの父親が誰だかわからない。そんな次女を地元の恥だと思っているのだ。

それはその地方では有名な祭りの夜。男たちは祭りで外に出て、女たちは留守をあずかる習わしである。本家であるミドリの実家は宴会の準備で大忙しだ。そこへ突然、ユリアが現れる。どうやら妊娠しているらしい。父親は「彼氏」ではあるが、「結婚は出来ない相手」だと言う。一方で、自分の身体に起きている変調をなかなか言い出せずにいるミドリ。一体、彼女に何が起きているのか―――。

********************

さて、今回の「まほろば」は再演。

初演の時は、期間が短く、予定が立たなくて行くのを断念した記憶が…。

なので、今回念願かなっての「まほろば」参戦でした。

女優6人しか出てこない舞台にも関わらず、しかも内容は女性向けというか女性には理解出来る部分も多い作品でありながら、客席に男性が多かったのが意外でした。

内容は、至ってシンプルです。

本家の血を絶やさないように世間体を気にする母。

子供は欲しくない、閉経したから子供は産めない、仕事も楽しいしと突っぱねる長女・ミドリ。

父親が分からない子供を産み、その子供が東京でどんな仕事に就いているのか具体的に分かっていない次女・キョウコ。しかも、キョウコは地元の男性(マオの父親)と付き合っているっぽい。

突然現れ、家族がいる男の子を妊娠したキョウコの娘ユリア。

一見、暗くなりそうな内容っぽくもありますが、巧みな脚本と演出でイヤな後味もなく、観ていて「分かる、分かる」と共感する部分や、考えさせられる部分もあり、私好みのすごく素晴らしい作品でした。

本家とか分家とかを気にする地域ならではの考え方というのもありましたが、基本的にはどこにでもいる家族と何ら変わりはない気がしましたし。

子供を産むという女性にしかできない事をめぐって、色々なドラマが産まれてくる。

父親が誰だかわからない、相手は家族がいる、閉経したと思っていたけど実は妊娠していた…など。

「生」というものに対して、日常的・家族内の喧嘩のように見せながらも、実は奥深いところをついている作品だなと感じました。

しかも、女性ならではのテーマであろうにも関わらず、脚本・演出が男性っていうのも面白い。

男性からしたら、逆に客観的に見れるから、こんなにも繊細な作品が生まれるのでしょうかね。

キャストで言えば、誰もが文句なし。

秋山姉さんは、上手いのは当たり前なのですが、去年から秋山姉さんが出ている舞台は全部見てきてますけど、ホントに多種多様な役を難なくこなされているので本当にビックリ。次の「藪原検校」にも期待大。

個人的には、「大母様」の中村たつさんが、本当に可愛らしいおばあちゃんで、すごく和みました。

だって、スーパーの袋にお菓子つめて、「みんなで食べよう」と食べたり。しかも、ハバネロの辛いお菓子を食べていたり、DSか何かのゲームをしていたり。

でも、時々的を得ている発言をするのが、すごく効果的でした。

なので、80~10代という5世代ぐらいに渡る女性たちの話なのに、自分と同年代だけのではなく、他の年代の女性にも共感できる部分があるというのにちょっと驚きでした。

やっぱり、普通は自分と同年代だったり、同じ境遇の人と共感できる部分が多いと思うので。

まほろば」って、ホントに不思議な作品で、笑いあり、感動あり、同情したり、イラッとしたり、共感したりと色々な感情が湧き出てくる作品で、今までにこんな作品観た事あったかな~というぐらい、私には素晴らしい作品と出会えた感じがしました。